今年こんがりここなつ島は、二十歳の誕生日を迎えます。

 今から20年前の夏、私たちは東シナ海に浮かぶ小さな宝石のような無人島・屋那覇島を時間のない島、共和国「こんがりここなつ島」と名付けました。
サンゴ礁に囲まれ、白砂に縁どられた周囲4.6qの小さな島は亜熱帯性の緑濃い森、花咲く草原、涼しい木陰がありました。そこには鳥や虫や動物たちが遊びまわり、海に入れば色とりどりの美しい熱帯魚がサンゴの林の中を群れ泳ぎ、時間の経つのを忘れてしまうほどの光景が広がっていました。

 そこで私たちは、現代社会の常識の下に埋もれてしまった野性味や冒険心、好奇心や創造力を自然とのふれあいによって呼び起こして欲しいと願い、共和国「こんがりここなつ島」を建国したのです。

 ここでは「何をしてもよい、何もしなくてもよい」という憲法のもと、共和国国民は日常の束縛や時間の管理から解放され、悠久の世界を無人島の大自然のなかに発見し、その自然の不思議や偉大さを学び、 ゆとりと癒しを体感し自分(人間性)を取り戻し「元気になる島」として記憶されるとき時間を過ごしてきました。

 ところが、18年間さまざまな貴重な体験と発見を与えてくれた無人島・屋那覇島は、地球温暖化の影響かここ4年間、超大型台風の襲来を受けました。そのためキャンプサイトの森が壊滅的な倒木被災を受け、日影の下にハンモックを吊る幹を探すのに苦労するほど森林環境が衰退しました。
 
 また一方では、無人島の開発計画が持ち上がり、一昨年の春には島の7割に当たる潅木・雑草原帯が無残に伐採され、自然環境は大きく後退しました。そのため、これまでのような大自然を舞台にした無人島でのキャンプ実施は困難と判断し、19年目の昨年は活動拠点を伊是名島・こんがりここなつ島ヴィレッジに移しました。

 しかし、自然の回復力は見事なものです。19年間一度として同じ表情、同じ彩を見せることのなかった「屋那覇島」は、力強く甦る息吹をみせはじめたのです。
そこで記念すべき20周年の今年、共和国「こんがりここなつ島」は「無人島へ行こう」と題して、再び屋那覇島へ還ります。
<こんがり年表>
1年目 何もない無人島、海は空からの贈り物、全てが新鮮だった。
2年目 赤ウミガメの誕生!自然の神秘と不思議に感動する
3年目 ウミガメの赤ちゃん86匹、夜のキャンプ場を大訪問。
4年目 台風襲来、ウミガメ放流、地元の子どもたちとの交流始まる。
5年目 避難用倉庫と水洗トイレが完成。便利は人の心を弱くする。
6年目 真夜中の星の舞踏会。大流星群が満天をかけめぐる。
7年目 真っ青な海へ、ただ飛び込むだけの遊びが大人気となる。
8年目 森の冒険遊び場に、勇気を育てるクライミングボード完成。
9年目 サンゴ礁は最高の遊び場。釣り、ダイビング、毎日が日曜日。
10年目 10周年記念に笠木透と雑花塾一座による「星空のコンサート」開催。波の音がすてきなBGMに。
11年目 台風9号、13号に襲われ、倉庫内に避難生活。自然は機嫌の良いときばかりではないことを痛感する。
12年目 グラスボートによるボートダイビングをやるようになる。島から遠く離れていろんな海でダイビングを楽しむ。
13年目 真夜中、青ウミガメ誕生の大騒動、最後の65匹目を保護した頃には、東の空は白々と明けてきた。
14年目 子ども用テラスが完成。朝寝、昼寝、夜寝と大人気。潮風が気持ちいい。
15年目 サザエの大豊作。大統領シェフの手によるサザエごはんに、うまいうまいと舌つづみ。
16年目 満天の星空の下で「銀河鉄道の夜」のスライド上映。そのまま眠ってしまった子は夢の中の銀河鉄道に乗って天の川へと。
17年目 子供用の工作道具を揃えたら、朝から晩まで、ギコギコトントン末は大工か木工家。
18年目 体長1メートルもあるセイイカを波打ち際で発見!思わぬ海の幸としてみんなのお腹の中へ。
19年目 初めて屋那覇島を離れ、「こんがりここなつ島ヴィレッジ」を伊是名島で開催。
陶芸、三線、沖縄料理などを体験学習。伊是名村民との交流が楽しかった。
20年目 ファイナルの年、島はどんな顔で迎えてくれるでしょうか?